2025年9月末~10月上旬にかけて、ブルガリア視察に行ってきました。テーマはいくつかあったのですが、「「やまおとうみ」は、やっぱり「やま」の旅をもっとやらなきゃ!」ということで、月1ペース平均で日帰り~縦走をしているのんびりマイペース(日本の山は大体コースタイムくらい)の私の実体験は、きっと多くの方にも有益かと思い、いざ体当たりトライ! それぞれの比較やおすすめタイプも書いてみました。
以前行ったリラ7つの湖のレポートはこちら
ムサラ山:2,925m リラ国立公園、バルカン半島最高峰=ブルガリア最高峰
ボロヴェッツの街からゴンドラを利用し、山頂駅-ムサラ山の往復。標高1,315mから2,369mまでを約28分で登りますので、山頂駅についてお手洗いなどを済ませつつ高度順応。その後、最初の1時間・ムサラ小屋までは平坦なお散歩コース。
その後は湖を4,5個みながら、苔で緑色に見える岩がちな道を進みますが、手を使って登るようなところはほぼなし。マーキングは結構しっかりしていました。2つ目のLedeno Ezero小屋に来ると、いよいよピークが目の前に見えます。これを登るのか~とけっこう萎えそうなアングルに見えますが、しっかり巻き道がついているので、案外すんなり高度を稼げます。しかし、この日が夏期のゴンドラ最終営業日で、ピーク付近では小雪が降ってきましたが、幸い風がほとんどなく、思ったより寒くなかったです。
タイム: 07:40 / 距離: 14.2km / のぼり: 748m / くだり: 749m / コース定数: 23 / 平均ペース: 標準

注意点
・ゴンドラ駅以外のルート上のお手洗いは、ムサラ小屋外の方にありはしますが、あいにくと、衛生面で使うのをためらう状況でした。おかげで帰りはかなり急ぎ足になりましたよ(苦笑)。逆に、どちらの小屋も飲み物や簡単なスナック類は買えますし、座って休むこともできます
・遮る木々がないので、日差し・風の影響を考慮
・下りのゴンドラを逃すと、徒歩で下山(約2.5時間)になりますので、それに間に合うように撤退時間を決めておいた方がベター

こんな方におすすめ
普段、日帰り登山でそれなりの時間・距離を歩いている人できちんと高所順応すれば、技術的に難しいところはないので、問題なく行けると思います。
ビフレン山:2,914m 世界遺産ピリン国立公園
ブルガリア第2の高峰ビフレン山。拠点の街バンスコから車で約30分のビフレン小屋(wifi、水場、トルコ式WCあり割ときれい)まで行き、山頂までの往復ルート。最初の道標をしっかり見て、行く方向(このルートだと右)を間違わないように注意です。最初から木立や岩が断続的に続くそこそこ急な登りです。振り返ると、ビフレン小屋や登ってきた道が見えますが、高度感以外あまり景観は変わらず。ひとしきり上ると、十字架の建っている小高い丘があり、眺めが良いです。

中間部は開けた高原で、ヤギがたくさん!さすが世界自然遺産のピリン国立公園だなあ~と。稜線にでると斜面の反対側の湖の景色が見えますが、急に風が強く吹き付けるので、ピークへの取付きを確認して引き返し。なので、下のログはピーク手前までの往復のものです。
タイム: 05:51 / 距離: 7.5km / のぼり: 911m / くだり: 907m / コース定数: 23 / 平均ペース: 標準

注意点
・最後の方でまんまと道を間違えて少しアスレチックのような岩場下りになってしまい、難なく本ルートに戻れたから良かったものの、全体的に割とフリーダムなルート取りなので、道迷いに注意
・中間の開けた高原あたりからは基本的に遮るものがないので、日差し・風の影響を考慮
・ピーク付近は大理石なので、雨が降ると滑る
・途中には水場・お手洗いなし

こんな方におすすめ
ムサラ山に比べて高低差・岩場があるので、日帰りなら高所で高低差1,000m/8時間超えのコースを歩ける方向けです。万人向けではないです。
ヴィトシャ山:2,292 m(アレコ小屋:1,810m)
ソフィアの高尾山(標高的には奥多摩)的な存在のヴィトシャ山。車で登るも1,300mを超えたあたりから雪が積もってきて、アレコ小屋のある1,800mあたりは一面がっつり新雪が積もっていて、スキー/スノーボードをしに来ている人も…! 小屋の方曰く、通常、10月初めのこの時期に降ることはないので今年は異常だと。そのためピークアタックは断念し、代わりに買ったばかりのチェーンスパイクを試すべく、小屋周辺を散策。ネット通販で約2,000円の割にはしっかり安定感があって良い買い物をしました。
小屋は暖房が効いており暖かく、シャワーブースやお手洗い(洋式・水洗)も清潔で、wifiも繋がり不自由なし。お食事も実に家庭的でおいしくてリーズナブルで、これはこれで良い体験でした。

注意点
・ソフィアの高尾山的存在といえども、標高は奥多摩レベルという点をお忘れなく!
こんな方におすすめ
予定していたアレコ小屋-ヴィトシャ山頂(Cherni Vrah 2,292m)の周回コースだと、コースタイム約5.5時間で12.3km、上り下り約770m。周回でなく単純往復だともう少し優しくなるので、標準的な日帰り登山レベルかと思います。後述のボヤナの滝へ下るルートなど、様々なルート取りができます。
ボヤナの滝:約1,300m ヴィトシャ山麓
世界遺産ボヤナ教会先の登山口から、渓谷沿いの赤コースでボヤナの滝まで登り、緑/青コースでボヤナ湖を通って下山する周回コース。登山道はおおむね土と木の根と岩で、割と日本の低山っぽいものの、赤コースは濡れた岩を登ったり、登山道崩壊で道らしき道がなかったり、鉄柵と岩を使って3点確保で確実に進みます。そうこうして到着するボヤナの滝は見ごたえのあるもので、マイナスイオンたっぷり。登ってきた甲斐がありました。緑/青コースだと基本的にはずっと緩やかに登っていくので、ツアーでご案内するとしたら、間違いなくこちらの往復です。ソフィア市街が見渡せるのも良いですね。
タイム: 03:49 / 距離: 7.2km / のぼり: 530m / くだり: 530m / 平均ペース: 標準

注意点
・標高は低いですが、渓谷沿いの赤コースは登山道の状態が良くない場所があるので、ある程度の技術と滑らない靴が必須(その意味では、ムサラ山の方が簡単)
・分岐が多いので、道迷いに注意
こんな方におすすめ
緑/青コースなら軽ハイキングのレベルなので、普段、低山日帰り登山をしている人なら問題なく行けるでしょう。ただそれだと、足慣らしには良いですが、少し物足りないかも? そんなときは、ボヤナ教会や国立歴史博物館の見学をするのもありです。
⇒ブルガリアトレッキングツアー例はこちら(更新中です。ちょっと待ってねm(_ _)m)