2017年10月の6日間、北コーカサス地方の各地(北オセチア、イングーシ、チェチェン、ダゲスタン)をみてきました!
ウラジカフカス空港 Vladikavkaz
ロシアの国内線は、搭乗券に座席番号の記載があっても、早い者勝ち的な感覚で、違う席に座っている人もちらほらいます。そのため、早めに搭乗する方がお勧めですが、もし自分の席に誰か座っていたら、CAさんにヘルプを頼むのがベターです。着陸のときには拍手が起こるのも面白いですよ。
ウラジカフカスの空港は小さな空港で、降機後歩いてターミナルビルに入りました。アジア人が目立ったのでしょう、白と青の迷彩服を着たお役人さん(カスタムとの事)に呼び止められるも、パスポートとビザをチェックするだけで特に問題はありませんでした。
注意事項は2つ。
私たちの訪れたときは空港が工事中だったためもあるかもしれませんが、狭い到着エリアにはバゲージクレーム(手荷物のピックアップベルト)が1つあるだけで、インフォメーションもWCもありませんでした。お手洗いは機内で済ませたほうが良いです。また、ターミナル出口で手荷物札の照合があるので、チェックインの時にもらったクレームタグはなくさないように注意です。
ベスラン 学校占拠事件現場跡と墓地 Beslan
ウラジカフカス空港から車で約10分位で、ベスランの学校占拠事件の犠牲者の墓地に着きます。水を飲めずに亡くなっていった子供たちのために、メモリアルにはよく水が供えられています。墓地から約5分程度で学校跡地に体育館が残っており、建物内部に入ることも出来ます。公式発表では占拠していたテロリスト側がここで爆発を起こしたとされていますが、床は焦げておらず屋根はなかったり、ろくぼくの焼け焦げ方など「百聞は一見にしかず」です。周囲の建物は事件後すぐ建て替えられたそうです。
死者の町ダルガフス Dargavs
ベスランから約1時間ほど南に行ったところ、コーカサス山脈のカズベキ山もきれいに見られる風光明媚な地域に、死者の町といわれる場所があります。これは、中世にペストが流行した際、ペスト患者を隔離する塔状の廟を建て、患者自らがそこに入って家族や他の村人に病気をうつさないようにしたところです。治癒したら廟から出て村に戻ってこられましたが、治らず廟内で死亡するとそのまま放置されたため、現在でも人骨や歯まで良く見えるので、びっくり!苦手な人は要注意です。廟は斜面に立っているので、それなりにアップダウンがあります。
ウラジカフカス-ダルガフス間 動物園と岩肌に建てられた砦など
ダルガフスへ向かう途中、峡谷沿いの滝に眺めが美しいところに遊歩道があり、動物園のようにクマ、ヒョウなどがいるところがありました。
幹線道をダルガフス方面へ曲がる手前には、岩肌をくり抜いた洞窟砦があり、なかなかアドベンチャー的で楽しいです。ただし足元は良くないので、動きやすい靴で!
戻りは別の道をとりましたが、途中には氷河の崩落に巻き込まれて亡くなってしまった映画撮影チームのメモリアルなどもあります。
ウラジカフカス Vladikavkaz
北オセチア共和国の首都で、印象としては旧ソ連的な建物が多く、夜も思ったより光が少ない印象ですが、ミニマートなどちょっとしたものを買える場所は多かったです。町の中心部の歩行者+トラム専用ゾーンは明るめで店も増え、女性一人でも安心でした。
この町は元々イングーシ領だったがオセチア領になったといういきさつのため、両国の間でわだかまりの種となっており、川の両側でそれぞれのテリトリーが分かれているとのこと。人々の感情・交流としても良くはなく、オセチア人は特に理由がなければイングーシには来ないし、イングーシ人にフレンドリーでもないそうです。
スターリンの圧制のメモリアルの塔(Мемориал памяти и славы)
イングーシ共和国に入ってすぐのところに、「メモリアル・パミャチ・イ・スラヴィ」という記念公園があります。中央にはスターリンによる中央アジアへの強制移住のメモリアルとしての9つの塔があります、ロシアとしてはこの塔を壊したかったが、住民の反発が強いので、周囲に第2次世界大戦関連やチェルノブイリなど他のメモリアルも建てることで、逆に塔のイメージを薄めたとのこと。塔内は博物館になっており、強制移住やイングーシ・オセチア間の紛争のことなどの展示があります。
ナズラン イングリッシュクラブ
イングーシの実質的な中心街はナズランで、地元の英会話サークルに飛び入り参加させていただきました。年齢・職業など様々な男女が集まり、講師の先生から出されたその日のテーマに沿って話をします。この日は「Celebrities」、有名人についてでした。会ってみたい有名人ではモハメド・アリの名が挙がったことをみても、この地でボクシングが人気の高いスポーツであることを反映していたり、プーチン大統領のことをミスタープーと言っていたりと、かなり興味深いものがありました。なかなか出来ない貴重な体験に感謝です。
イングーシの新首都 マガス
イングーシがチェチェンと分離して約20年前から建設が始まった新首都で、いまだにあちこちで工事が続いています。主に官庁街・新興住宅地で、ナズランの町に比べたら雰囲気はないものの、快適さ・安全さを求める場合にはこちらに宿泊の方がベターだと思います。
メイン通り沿いにひときわ目立つ塔(展望タワー)がありますが、上に行くエレベータはないので、徒歩で登ることになります。15階以上はありそうなので、見晴らしは良いですが、それなりに時間と体力のある方向けです。周囲にショッピングモールを建設中らしく、できるのはいつでしょうね??