旧ユーゴスラビア各国の現代映画の上映会「シネマ・ポスト・ユーゴ」に行ってきました。
観たのは「チトーの眼鏡」という作品で、ドイツに住む劇作家のユダヤ系クロアチア人の両親のルーツをたどる旅を描くユーモアに溢れたドキュメンタリー。
家族やユダヤ人の歴史だけでなく、パルチザン戦の神話や戦後ユーゴスラヴィアの歴史も展開されており、当時の映像なども多く盛り込まれていて、興味深かったです。
チトーさんとは、7つの国境・6つの共和国・5つの民族・4つの言語・3つの宗教・2つの文字からなる1つの国家と比喩される多様性に富むユーゴスラビアの終身大統領のことです。
しかしカリスマの死後、国家は崩壊へ・・・。
凄惨な紛争へと発展していったわけですが、これまた興味深い統計を目にしました。
Breakup Yugoslavia/Good or bad?
ふむふむ、独立によって経済的によくなったスロベニアのような国は、やはりそれでよかったという意見が多い一方で、かえって経済的にクラッシュしたセルビアやマケドニアのようなところは否定的という感じですね。
さらに詳しい区分によると、実際に旧ユーゴ時代を経験している人になればなるほど、崩壊に否定的な人が増えているようで、昨年のシネマ・ポスト・ユーゴの討論会でも度々出てきたワード「ユーゴ・ノスタルジア」を裏づけるような結果ですね。