シェアリングエコノミーという言葉を耳にしたことはありますか?総務省では、このようにまとめています。⇒シェアリングエコノミーとは?
具体的な例で言うと、カーシェアやAirBnB、Uberなどが代表的なところです。
旅行業界的にはライバルの1つという風にも捉えられます、自分で利用してみないことにはなんとも言えないと思い、実際に使っていますので、その体験をもとに、旅行会社視点での注意すべきことを書いてみます。
AirBnB(エアビーアンドビー)
・所在地
AirBnBでは予約する段階では、A駅から500m・徒歩5分といった具合に、物件の大体の場所は分かりますが、具体的な住所は予約後でないと分かりません。都市によっては通り1本違うだけでがらっと雰囲気が変わったりするところもあるので、治安を懸念される方は要チェックです。
また、基本的にホテルのように看板は出てはいないので、探しにくい・周りの人に聞いても分かりにくいという場合があります。
・チェックイン
チェックインは立会いで行う場合だと、時間が限られている場合が多く、到着予定時刻を事前に連絡しないといけない場合が多いので、それが未定のときには使いにくいです。また、フライトや列車・バスの遅延で遅くなる場合、旅行先でコンタクトを取って解決しなければなりません。通常のホテルであれば、いちいち連絡をしなくても、たいてい24時まではキャンセルされないですよね?
実際私は夕方到着のはずが、急病で病院へ駆け込んだため、深夜到着になってしまったという経験があります。そんなときでも、自分でホストと連絡を取り、待ち合わせの再設定をしないといけません。海外の病院のベッドで点滴しながらメールのやりとり。。。幸い、この時は深夜になってもホストの代理の方が対応してくださって問題ありませんでしたが、そういった対応が出来ない場合には、1泊分をどこか自分で予約しなおさなくてはならないかもしれません。このような懸念がある場合には、24時間セルフチェックイン可能な物件がおすすめです。
・チェックアウト
無事にお部屋には入れて素敵な滞在が出来て…と思っても、これが意外に落とし穴。チェックアウト自体はさして問題ではないのですが、その後、少し時間があって街を散策したいというような時に、スーツケースの保管が可能かどうかがポイントです。NGな場合はもう1泊分予約するか、駅などのコインロッカーを探さなくてはいけません。コインロッカーがあれば幸いですが、ない場合はどうしますか?
・アメニティ・・・ホテルでも同様の注意事項
ホテルではないので、アメニティは持参が原則です。そもそも海外ホテルでは、日本とは違い歯ブラシ系は基本的には置いていないですし。シャンプーありと書いてあっても、本当にシャンプーだけでコンディショナーなしとかありますし。シャンプーはあるからうそではないですよね、つまり、言葉通りのこと以外は、あったらラッキーで、期待はしないほうがベターです。
・ベッド数・・・ホテルでも同様の注意事項
日本人はツイン=1つの部屋に2つのベッド、ダブル=1つの部屋に1つの大きなベッドと考えるのが主流ですが、海外ではツインとダブルの垣根は日本ほど徹底していなく、ツイン・ダブル=2名1室という見方が多いように思います。実際、私が普段ホテルの「ツイン」を手配するときも、しつこいくらいに「2つの分かれているベッド、人数=ベッド数」と言っていますが、それでもチェックイン時に部屋割りがされるため、夜遅くのチェックインの時には危険です。これは、ベッドシェアできない相手であれば部屋もシェアできないという欧州的発想と、従来1つの部屋で個別の布団で寝てきている日本人との、もはや文化・習慣の違いではないかと思います。特にヨーロッパは、ラグジュアリーなホテル・部屋ほど、ダブルベッド率が高いように思いますので、カップル・ご夫婦で1つのベッドでも問題ないという方以外は、よくよく注意すべき項目です。AirBnBなどの場合には、ベッド数2であっても、そのうちの1つがソファーベッドである場合もあるので要チェックです。
・フロント
フロントはないので、何か困ったときにはホストに伝えますが、離れていたらメッセージや電話で伝えなければなりません。言葉でうまく伝えられなくても、ホテルのようにとりあえず部屋に来てもらってみてもらう、ということが叶わない場合もありますので、トラブル等の際にも自分で対応するという心構えが必要です。
これも私の実体験ですが、あるお部屋で、2日目の朝にお手洗いもキッチンもどこも全く水が出なくなりました。昨晩は出たのに!?と思い、ホストに連絡すると、2日間断水なので、水はシンク下の汲み置きを使ってくれとのこと!それが分かっていたら先に言ってくれれば…!とは思いましたが、彼女は英語があまり得意ではない様子。こちらも予定があったのでひとまずはそれで対処して出かけましたが、気が重い…。なるべく出先で用を足してから部屋へ戻りました。と、予定より早く断水が終わったようで事なきを得ましたが、こういうこともフロントがあるとないとでは安心感が違うかと思います。
ExpediaやBooking.com
シェアリングエコノミーというよりは、OTA(オンライントラベルエージェント)とされるこれらですが、その中にも、AirBnBのようにホテルではなくアパートメントタイプの物件が混在しています。以前はこれらサイトにはそのような物件はなかったので、知らずに予約をした人が後でびっくりというケースがあるようです。どちらもソート機能でホテルだけに絞ることも出来ますが、完全ではないようです。チェックイン時間と方法を見ると、だいたいホテルなのか部屋貸しなのかが分かりますよ。
Uber(ウーバー)
Uberに関する注意点・トラブルは、色々とニュースにもなっており、「Uber トラブル」などで検索すると色々と出てきますので、そちらに任せます。幸いにも私自身は、今のところ一切の問題がないので、便利な使い方と注意点をひとつずつ。
・立ち寄り機能
Uberは、出発地Aから目的地Bの間に、経由地Cを入れることが出来ます。なので、例えば、最終観光スポットAから乗り、ホテルCに預けておいた荷物を取って、空港Bへ。というような使い方が可能です。ただ、1回の立ち寄りは良識的な範囲で2.3分以内とされているので、ディナーのレストランAから乗り、夜景のきれいな展望スポットCで30分ゆっくりしてホテルBへ戻る…というような形はNGです。あまり立ち寄り時間が長くなると、後で請求にその分の追加の金額がかかってきます。
・空港発の乗車の事前予約はできない
Uberはスマホアプリから呼びますので、ネット環境がない場所では利用できません。空港のWifiも使えない場合、事前に予約をしようと思うかもしれませんが、空港発の予約は出来ないようです。新しい街に着いて荷物もあって、本来であれば最も利用したいシーンの1つであるのですが、フライトの遅れなど、時間のズレが想定されるからでしょうか…?
最近は、旅のパーツのみのお問い合わせも増えてきており、このようなサービスを利用している方もいらっしゃるかと思います。旅行会社目線での注意事項を書きましたが、同じ条件ではホテルやタクシーより安くて評価が高い場合も多いですし、きちんと自己責任意識を持って使えば便利だとは思います。ただ、心配な方、自分で対処できない方は、やっぱり私たち旅のプロに任せていただいたほうが安心とは思います。