街の中央を流れるネレトヴァ川にかかる橋(スタリ・モスト)が象徴的なボスニア南西部の街です。全長28m、高さ20mのこの橋は、1566年に木製の橋から石橋に代わり造られたオスマン時代の重要な建築物の一つで、2005年には橋とその周囲の旧市街がユネスコの世界遺産に登録されました。
ボスニア紛争時の激戦地のひとつで、異なる民族間相互の対立から街は川を境に分断され、ついに1993年11月9日には、クロアチア勢力側により両者を繋ぐスタリ・モストは破壊されてしまいました。翌1994年に市街戦は収束するも、今日でもその痕跡はあちこちで目にするとともに、街の雰囲気は分かれており、川の東側はトルコ風な町並みでムスリム人が住みモスクがある一方、西側にはクロアチア人が住みキリスト教会がありと、はっきりと異なっています。
現在の橋は2004年7月に再建されたもので、今日では見世物として橋の上から川へ飛び込む若者の姿をみかけたりもします。