ヤイツェはプリヴァ川とヴルバス川の合流地点にあり、美しい滝で知られる風光明媚な街です。要塞が丘の上にたつ中世ボスニア王国最後の首都でもあり、以降、オスマン帝国、オーストリア・ハンガリー帝国、ユーゴスラビアの統治の長い歴史の中で混ざりあってきた多様な文化・歴史を感じられることでしょう。
第2次世界大戦終盤の1943年11月21~29日には、このヤイツェにおいて、ユーゴスラビア人民解放反ファシスト会議(AVNOJ)の会合が開かれ、ユーゴスラビア連邦の建国、チトーをその首相とすること、「セルビア人、クロアチア人、スロヴェニア人、マケドニア人、モンテネグロ人、またはセルビア、クロアチア、スロヴェニア、マケドニア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの全ての人民の平等が保障される」ことなど、重要な議決がなされた歴史の舞台でもあります。
ヤイツェ中心部から約5kmの郊外には大小2つの湖からなるプリヴァ湖(ブレナ)があり、ハイキングやカヌー等のウォータースポーツが楽しめます。 2つの湖の間のプリヴァ川にある約24の美しい木製の水車小屋は、中世からの歴史があるといわれ、水車小屋の間の遊歩道を歩くと、まるでおとぎ話のような世界を間近で見る事ができます。 湖と水車小屋はその歴史的・文化的価値から2009年にボスニアの国定史跡に指定されました。