ヨーロッパの大部分を荒廃させた30年戦争(1618-1648)後、オーストリア皇帝は、この地のプロテスタントに3つの「平和教会」を建てることを許します。それらは、破壊をもたらす戦争や宗教紛争が終結することの象徴でした。しかし、その建設には過酷としか言いようのない条件が付けられました。伝統的な教会と同じように作るのでなく、使うのは耐久性のない建材のみ、しかも市壁から大砲の射程距離と立地まで制限されました。けれども、地元の建築家や大工たちはこの制限をバネとして、血のにじむような試行錯誤を重ね、木材、藁、粘土を使用したハーフ・ティンバー(木骨)造り、石も釘も一切使わない三つ子の巨大木造教会を建設してみせたのです(うち1つグウォグフの教会は1758年に焼失)。
ヤヴォルの平和教会は、まるで納屋のような地味で質素な外観とはうって変わって、内部はすべてが油彩されていて、バロック様式の目もくらむような美しい内装で、そのギャップに驚くことでしょう。教会内部をぐるりととりかこむバルコニーが高さ16mの天井まで積み重なって、まるでパノラマ劇場、収容人数は6,000人!欄干には143もの聖書の場面が描かれています。
さらに、シフィドニツァ教会は木造建築としてはヨーロッパ最大の収容人数7,000人を誇り、上空から見ると美しいギリシャ十字の形をした独特な建造物です。内装は非常にゴージャスで美しく、息をのむほど!天井や壁の絵画は、主にヨハネの黙示録の情景が描かれており、みるだけで荘厳な雰囲気に包まれます。
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