南極半島&サウスシェットランド諸島クルーズ 体験レポート 後編

ポーラー・ラティチュード社の南極半島&サウスシェットランド諸島クルーズ(シー・エクスプローラー号/現在はヘブリディーン・スカイ号に名称変更)に乗船してきました!
南極半島&サウスシェットランド諸島クルーズ 体験レポート 前編はこちら

6日目:2015年11月23日 パラダイス湾ブラウン基地、ポート・ロックロイ

p_km474船はパラダイス湾へと入ってきました。全方位から吹く南極の厳しい風からの避難場所となっているためにこのような名前がつけられており、いくつかの観測基地があります。
そのうちの1つアルゼンチンのブラウン基地が午前中の上陸ポイントでした。1984年、南極の過酷な状況下での生活に耐えかねた駐在の医師が、ついに気が狂って基地に放火してしまったといわれています。その後基地は再建されましたが、私たち観光客は基地内に入ることは出来ません。とはいえ、ここで南極大陸に3度目の上陸!

p_km521船に戻る前にパラダイス湾をゾディアック・ボートでクルーズ。タイミングが合えば氷河の崩落する瞬間を見られ、地響きのようなズドドドドーー!という轟音をたててバシャーン!と海に崩れ落ちる様は豪快で迫力満点です。

ランチの後はすこしゆっくり。
次の上陸地はツアー中の人気ポイントの1つであるポート・ロックロイです。ポート・ロックロイは1944年に建てられたイギリス発の観測基地で1962年まで使用されていました。1966年に改装され、現在は英国南極歴史遺産トラストの管理の下、博物館や売店となっています。
郵便局ペンギン・ポストオフィスもあり、世界中へ1ドルで絵葉書が送れます。

p_km54115:00からポート・ロックロイのスタッフによるレクチャーがあり、それに続いて上陸のはずでしたが、悪天候のために少し遅くなり、17時過ぎから上陸開始!ジェンツーペンギンに囲まれた中にユニオンジャックがはためきなんともイギリスらしい雰囲気の建物。博物館内には当時の観測器機や実験器具、缶詰なども見られます。
売店では小物から衣類までいろいろなものがあるので、上陸時にはお金・クレジットカードを忘れずに!私はペンギンのピアスを買いました。

p_km555ディナーはポート・ロックロイのスタッフも交えてデッキでバーベキューパーティーの予定でしたが、天候がすぐれないため、いつものレストランとなりました。晴れていれば、南極の絶景の中でのBBQパーティーは忘れられない食事の1つになるのではないかと思いました。

7日目:2015年11月24日 ルメール海峡、ポート・シャルコー、プルノー・ベイ

p_pl20_9555早朝、船はルメール海峡を通ります。ブース島と南極半島の間のこの狭い海峡は、南極半島クルーズの中でも屈指のフォトジェニックな海峡といわれ、船の両側に迫る雪と氷の大地と漂う氷河の荘厳な景観は、本当にはっとする美しさでした。

午前中は、ブース島のポート・シャルコーに上陸、ジェンツーペンギン、アデリーペンギン、アゴヒゲペンギンの3種類のペンギンを一度に見ることが出来ました。
p_km593その後、プルノー・ベイのゾディアック・クルーズでは、「氷山の墓場」といわれる通り、アーチ状に穴が開いた氷山やつげぐしの様に水面から上に縦に多くの細い空気の通り道が出来ている氷山など、様々な氷山の間を船へと進みました。
途中で雪と風が強くなり、視界も白く霞んできてお互いのボートの市がわかりにくくなってくるも、クルーは互いに確認をし合って進んでいました。改めて南極の自然の厳しさと変化の早さ、クルーの対応の臨機応変さを感じました。

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午後はユースフル島に上陸のはずでしたが、天候が回復しません。ブリッジに行ってみると上陸地の予定表が置かれており、楽しみの1つであったデセプション島が線で消されており残念・・・。
ですが、幸か不幸か、その後のアナウンスでユースフル島への上陸は断念し、南極半島に別れを告げて北上し、デセプション島へ向かうとの事!
この島は地熱により海水が温められ、南極で温泉体験ができるというところ。といっても、以前は砂を掘って堤防を作り、文字通り温泉に浸かることもできたそうですが、今は砂を掘ることは禁止となっており、南極海へ飛び込む体験となっています。
また、後で聞いたのですが、1日に上陸できる客船は1隻のみとのことなので、ユースフル島を諦めたおかげで本当にタイミングよくデセプション島上陸に滑り込めたわけです。

夜はディナーの後は映画の上映がありました。

8日目:2015年11月25日 デセプション島

p_km619デセプション島は、ちょうど視力検査のCの字のような形をした島で、船はネプチューンベローズと呼ばれる島の切れ目の入口から中の湾へ入ります。ここは火山の爆発で出来たカルデラで、地熱で水が温められ南極では珍しい砂浜からほのかに湯気が立っており、砂に指を突っ込むと本当にそれなりに温かかったです。
とはいえここは南極。陸地に目をやると、アザラシが雪の上でのんびり寝ていたり、雪がひざくらいまで積もっています。島は昔は捕鯨船の基地として利用されており、鯨油をためる大きなタンク(中にも入れます)や住居跡、十字架の立つお墓などを見学しました。

p_km645_deception03見学後、おまちかねの南極海飛び込み体験!希望者は上陸前に自分の部屋で水着を着てきます。結構な数の人が砂浜を走って潔く海に入っていきますが、たいてい反射的にすぐ震えて引き返してきていました。この時期は夏の始まりとはいえ、南極の空気はさすがに寒く水温は1ケタ台じゃ無理もないですね。
クルーが用意してくれているタオルで体を拭いてさっさと服を着替えてボートに戻ります。
船内での温かいココアと熱いシャワーがたまらなく気持ち良いです。
飛び込み体験をした人は、後で名前の入った証明書がもらえました。

午後はグリニッジ島とリビングストン島の間にある三日月形をしたハーフムーン島に上陸の予定でしたが、悪天候の為に中止となり、船はドレーク海峡を北上して帰路に着くこととなりました。
これまで見てきたペンギンは、圧倒的にジェンツーペンギンが多かったですが、ハーフムーン島では3,000組を超えるといわれているアゴヒゲペンギンのコロニーがある他、頭に黄色い毛のあるマカロニペンギンも観測されたことがあるそうです。

9日目:2015年11月26日 ドレーク海峡を北上

復路のドレーク海峡は、往路より揺れが大きく、10段階中4・5くらいとの事でした。酔い止めを服用しベッドに横になっていると、幸いにも嘔吐をするまでには至らずに済みましたが、どんぶらこ~どんぶらこ~ざぶ~~ん!ざぶ~ん!と波に合わせて船が揺れている様子が良く分かりました。でもこれで半分くらいの揺れというのだから、これより荒れた場合にはどんなに風になってしまうのだろう・・・と、恐ろしいものがあります。
大型客船クルーズの揺れは、船内の廊下をまっすぐ歩いているつもりが、なんとなく斜めに寄っていくという感覚で、南極クルーズ船での往路のドレーク海峡の揺れはその感覚に近かったですが、復路の揺れは、たぶん想像したとおり、廊下を歩いていても右に行ったり左に行ったりという感じです。

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船内のレクチャーは、南極海での氷の話、クジラ調査の話、クルーの一人も参加した女性グループによる南極点到達の話などがありました。
また、船内のギフトショップがオープン!ペンギンのイラストの入ったグッズなど南極らしいおみやげが並んでおり、私も小さめのクラッチバッグを買ったのですが、なんと15ドル!結構お得感ありました。バーでの飲み物やおみやげなどの会計は、個人ごとに集計をされていき、最後に全てまとめて払うシステムです。

10日目:2015年11月27日 ドレーク海峡-ビーグル水道-ウシュアイア帰港

無事の魔のドレーク海峡を乗り切って一安心。ペンギンや南極探検のレクチャーがあり、ギフトショップもオープン。
また、船内会計の精算書やアンケート用紙が配られるので、それぞれ必要な手続きをします。今回、船内チップは一人1日12ドルでしたので、10泊分の120ドルも合わせて支払ました。船内会計の支払いは現金・クレジットカードどちらでもOKです。

p_hs_66516:45からは明日の下船についての説明会がありました。下船後の行き先により3つのグループ(空港直行、ダウンタウン、ホテル)に分かれ、それぞれのグループの色のリボンをもらって荷物に結びます。
その後は俳句大会があり、英単語で韻を踏んだ俳句のお披露目では、あちこちからほ~と歓声が上がっていました。
引き続きフォトコンテストもあり、ペンギン・人物・風景・アザラシなど各部門ごとに応募された写真が披露され、乗客の拍手の大きいものが1位となるというものでした。

p_hs_67919:00頃、ついにウシュアイア寄港!まだまだ明るい日差しの下、デッキで無事寄港とクルーズの成功を祝って船長主催のお別れカクテルパーティーが始まりました。ウシュアイアを出航したときには、すごい自然環境下の町だなあと思っていたのですが、南極から帰ってきてみると、もちろん日本と比べたら過酷なのですが、だいぶおだやかな街に見えたものです。

パーティーに続いて、レストランでフェアウェルディナーです。
レストランは自由席なのですが、同じテーブルであったり、親しくなった人と一緒に座ったりと、なんとなく自然に席についています。空いている席にはクルーも同席することがあるので、色々な話が出来て面白いですが、会話は基本的に全て英語なので、人によっては食事の時間は少々大変かもしれません。
p_hs_69810日間食事をしていると、ウェイターさんも私たちのことや好みを覚えてくれて、「ここはあのカメラマンの席だよね」とか「肉の量は倍だよね?」などと聞いてきてくれました。
お誕生日の方にはサプライズでケーキのプレゼントもありました。

ディナーの後はラウンジで今回のクルーズを振り返るスライドショーが上映されたり、バーでおしゃべりに花を咲かせたり・・・。

11日目:2015年11月28日 下船

p_km706_plいよいよ下船日です。06:30までに色別リボンをつけた預ける荷物と、使用した上陸用ブーツを部屋の外に出しておきます。防寒ジャケットはおみやげにもらえますが、さすが南極クルーズ向けだけあって作りがしっかりしていてとても温かいので、スキーでも使えそうですし、良い記念になります。
07:00からの朝食を済ませ、船内アナウンスに従って下船しますが、乗船時に預けたパスポートと、写真などが入ったおみやげのUSBを必ず受け取るのを忘れないよう注意!

p_km709_plお世話になったクルーにお礼を告げて別れ、待機しているバスに乗りますが、その際、自分の手荷物がきちんとバスに積まれていることを確認します。

私たちはダウンタウン行きのバスにしたのですが、その際、荷物は街中の船会社オフィスに預けて置くようになります。セントージャ(カニ)を食べた後、荷物をピックアップをしてウシュアイア空港へと向かいました。

最初は長いかと思った10泊11日間の南極クルーズもあっという間に終了。今回はシーズン1本目でしたので、雪が多い分、純白な荘厳な景色を堪能することが出来ました。
p_hs_670しかし逆にペンギンの赤ちゃんは見ることができない時期だったので、次は逆に遅めの2・3月だったり、今度はドレーク海峡はもう体験したからパスして飛行機を使ったフライ&クルーズだったり、フォークランド諸島だったりと違うツアーに参加してみたいなと、早くも思いました。

投稿日: 2017年08月31日 / タグ: , ,